2003年夏、念願だったツール・ド・モンブランを8人の仲間で歩いた 手配はシャモニーのアルプスプランニングジャポンの神田美智子さんにお願いした。 ガイドはフランス在住の亜津美さんで、私達の娘程の年齢の亜津美さんは、陽気な人柄と面倒見 が良く、本当に素晴らしい最高のガイドさんでした。 第1日目(7月17日)東京→シャモニー 成田空港(10:30)→チューリヒ(15:55〜17:50)〜ジュネーブ ジュネーブ18:40→シャモニー21:30 今回の飛行機は250人乗りの小さな飛行機だったが、それでも空席がいっぱいあって、一人で3席も4席 も確保して、ゆったりと過ごせた。 チューリヒ空港で飛行機を乗り換えジュネーブ空港に着いた。空港では神田さんが待っていて下さり、専用 車に乗ってシャモニーのパークホテルに向かった。 長い長い一日でした ホテルのテラスから モンブランを指差す像 宿泊したパークホテル ホテルからシャモニー針峰郡 第2日目(7月18日)シャモニー→バルム小屋 シャモニー(11:00)→コンタミヌ(11:45)ーテレキャビンーシニアル展望台(12:15〜12:30)→バルム小屋(15:30) 午前中はハイキングに必要な物を亜津美さんと一緒に買物した。 ホテルからチャターバスでコンタミヌまで行き、テレキャビンに乗ってシニアル展望台に着いた。 小さな池があり、大勢の人が水遊びなどをして賑わっていました。 目の前に聳える氷河や山の名前を亜津美さんが一生懸命教えてくれるのだが、瞬時に忘れて「あの山は 何?」と聞き返す、皆なで大笑いの連続でした。 すこし歩いたところでシャモニーで買ってきたサンドイッチやトマトを食べて休憩しました。 緩やかな道を下っていくとバルムの小屋に着きました。 荷物を置くのもそこそこに、小屋の外に出て生ビールで乾杯、このパターンは最後まで続きました。 小屋は2階建で、こじんまりしており、私達グループには5〜6人用の小部屋が2室与えられたので、気兼 ねなく過ごせました。 シニアル展望台にて ツール・ド・モンブランのコースマーク ヤナギランを前景に 傾斜の少ない道を歩きます まずはビールで乾杯!! バルム小屋前で 第3日目(7月19日)バルム小屋→モッテ小屋 バルム小屋(8:00)→ボンノムのコル(10:17〜10:30)→クロワ・デュ・ボンノムのコル(11:25〜11:45)→ フールのコル(12:20〜13:00)→グラシエ村(15:35〜15:45)→モッテ小屋(16:18) 小屋をでるとすぐ本格的な登りになった。 途中で荷物をロバの背に預けて軽装備でハイキングをしている一行に出会い、このような方法もあるの だと思った。 急登したボンノムのコルには小さな非難小屋がありました。 休憩後、斜面をトラバースしてクロワ・デュ・ボンノムのコルまでまた登りになった。 このあたりはお花も沢山咲いていて気持ち良いコースです。 コルには石で積んだ大きなケルンが立っていて、すぐ下にはケーキが美味しいと評判のボンノムの小屋 も見えた。 また暫く歩き、岩山のフールのコルで昼食タイムになった。 すぐ目の前の岩には数頭のアイペックが動いているのが良く見えて、皆んな大喜びで姿を追った。 食事とアイペックを楽しんだ後、岩山の下りがはじまった。 途中には大きな岩に沿って蛇行して流れる大滝があり、変わった景色を見せてくれた。 ボンノムのコル クロワ・デュ・ボンノムのコル ロバの背に荷物を預けて(私達ではありません) フールのコルへの最後の登り フールのコルで昼食 フールのコルからの眺め 岩を蛇行する滝 ざらざらした道の下りもありました その先はなだらかな草原歩きになり牛の放牧場を通ってグラシエ村に着いた。 花の名前を図鑑で調べる亜津美さん モッテの小屋はもうすぐ 美しい奥さんとお嬢さん 4日目〔7月20日)モッテ小屋→エリザベッタ小屋 モッテ小屋(7:57)→セイニュのコル(イタリアとの国境)(10:40〜11:20)→エリザベッタ小屋(12:50) 付近を散策 小屋の前から牧草地のジグザグ登りになる。 付近の草むらにはマーモットがいるらしくピーピーと声はするが姿は見えない。 途中で地元の子供たちと一緒に写真をとって、心和むひと時を持った。 登りはきついが斜面に咲く色とりどりの花を楽しみながらセイニュのコルに着いた。 ここからはモンブランも見え感動、国境のケルンにパスポートを示して敬意?を表した。 地元の小学生の団体と記念撮影 セイニュのコルにて 国境のケルン モンブランを見ながら コルには山名盤も コルからは一気にヴェニの谷への下りになり、私達女性郡は余裕もみえて、歌を唄いながら楽しくリズミ 色とりどりのお花が咲いていました お花畑の中を歩く 何と贅沢な事でしょう ベニの谷はお花が多くて前になかなか進みません ノーワール針峰を真正面に見ながら 左の白い山はモンブラン ツール・ド・モンブランを自転車で エリザペッタ小屋とテ・ラ・テート針峰 小屋のテラスから崩れ落ちる氷河を眺めたり、近くに散策に行ったりして午後のひと時を過ごしました。 ひっきりなしに氷河が崩れ落ちていた エリザベッタ小屋の外観 ナギランとテ・ラ・テート針峰とブランシェ氷河 私達に与えられた部屋の内部 5日目〔7月21日)エリザベッタ小屋→クールマイユール エリザベッタ小屋(8:00)→コンパル湿原(9:00〜9:10)→分岐(9:15)→尾根末端(11:15〜11:35)→ シェクルイ湖(12:25)→シェクルイのコル(12:40〜昼食14:20) リフト クールマイユール(14:45)→ホテル 今まで晴天に恵まれていたが今日は雨の中でのスタートになってしまった。 廃塀を額縁に小屋をパチリ コンバル湿原 ノワール針峰がはっきしないが見える 廃屋も絵になる コンバル湿原までの下りは、お天気が良かったらノアール針峰を仰ぎながらのコースだが雨で見えないの が残念だ。 クールマイユールへの道を分け、私達は右手の道を登った。 ミアージュ氷河が大きく曲がる所に氷河湖が見える。 そのうち濃霧で全く視界がきかなくなってしまい雷も鳴り出し、いつもはカメさんの足取りが脱兎のごとく早 くなり可笑しかった。 シェクルイ湖からは逆さモンブランが見えるはずだったが残念ながら天気が悪く見せてくれなかった。 その内に陽が差しがさしてきたので、ゆっくり歩いてコル・シェクルイに到着した。 氷河湖 うっすらと見えたノワール針峰 お天気が良ければグランドジョラスが見えるのだが ガイドは飲みっぷりも頼もしい(友情の器で飲む) そこで昼食にしたが、さすがイタリアのパスタは最高の味だ。 料理を取り分けて呉れる亜津美さんの上手なこと、ウエイトレスになっても一流ねと感心した。 店のテレビではNHKで放映した「ツール・ド・モンブラン」が映し出されていた。 木彫りのヤカンのような器にお酒を入れて回し飲みする、友情の器でお酒を飲んで楽しんだ。 リフトでクールマイユールまで行き、暫くぶりのホテル泊で、ゆったりバスタブにつかって疲れをとった。 6日目〔7月22日)クールマイユール→エレナ小屋 クールマイユール(9:00)リフトエギュイーユ・デュ・ミディ(9:57〜11:45)リフトクールマイユール昼食後 クールマイユール発(14:40)バス アルプ・ヌーバ(15:15)→エレナ小屋(16:20) 今日は休養日なので午前中はゆっくり起きてエルブロンネルからエギュイーユ・デュ・ミディに観光に出掛 けた。 イタリアとフフランスを結ぶ3連のロープウエイは、絶景の真っ只中をゆっくりゆっくり動くので、素晴らしい 景色を思う存分堪能した。 エルブロンネルとエギュイーユ・デュ・ミディを結んでいる 展望台にて エルブロンネルからの眺め 高い山はダン・デュ・ジョアン 下を歩く登山者が見える クールマイユールのレストランで昼食をして、路線バスに乗り、のどかな村アルプ・ヌーバまで行った。 フィレ川に沿ってバスは谷沿いの道を気持ちよく走り、車窓からの眺めも良かった アルプ・ヌーバからの歩き出しはかなりの急登だが、草原上の道は幅も広いので歩きやすかった。 左手にプレ・ドゥ・バー氷河が見えてくるとエレナ小屋でした。 小屋は綺麗で人気の小屋らしいが、2段ベットの上段を与えられた私は柵が無いのに恐怖感を感じ、 ガイドに交換を依頼したがベットの空きがなく、結局ガイド部屋を使わせてもらった。 アルプ・ヌーバからフィレのU字谷 モンブラン エレナ小屋への登り 氷河の水は冷たいよ モンドランの上に白い雲が 7日目〔7月23日)エレナ小屋→アルペッタ小屋 エレナ小屋(8:47)〜フェレのコル(イタリア、スイスの国境)(9:28〜9:40)→フーリ(11:50〜12:50) バス オルズィエール(13:20〜13:40) バス シャンペ(14:05〜14:10)→アルペッタ小屋(14:47) 今日は小屋の前から急登で始まるが、ゆっくり歩を進めてお花に励まされて、フィレのコルに着く。 ここは展望が良く、フランス、イタリア、スイスの3国にまたがるモン・ドランが見え、またグランド・ジョラスも シャモニーから見るのとは全く違う姿で望めた。 フェレのコルへの登り フェレのコル コルからスイス側への下りは素晴らしい高山植物の群落や点在する池塘を眺め、マーモットの愛らしい姿 お花のじゅうたんでした セントバーナード犬が描かれたバス シャンペ湖は車窓から望むだけ 小川が流れる森林帯の緩い登り アルペッタ小屋 8日目(7月24日) アルペッタ小屋→トゥリアン アルペッタ小屋(7:15)→シャンペ・ダンパ(8:20〜8:30) ボビーヌ小屋(11:45〜12:37)→ フォルクラのコル(14:20〜14:30)→トゥリアンの宿(15:15) 今日はバリエーションルートを歩く予定だったが、天候が悪いのでノーマルコースに変更になった。 途中でエレナ小屋で一緒だった長崎ハイキングクラブの方達に出会った。 ストックでアーチを作って私達を送ってくれた。素敵な思い出としていつまでも残る事だと思う。 放牧地で休憩しているとき、メンバーの一人が牛糞を避けようとして転倒してしまい、指をケガしてしま った。 その時の亜津美さんの対応の的確さ、何があっても全てに対処出来るように万全の備えを持っている 事が分かり、心強さを一層感じる事が出来た。 途中ボビーヌ小屋で乳製品の昼食を取った際、亜津美さんの見事な通訳で国際交流を持った。 相変わらずお天気がすっきりすることなく、尚も樹林帯を下り、トゥリアンの宿についてしまった。 道中で見かけた首輪と鈴が豪華な黒牛 長崎隊が作ったストックのアーチをくぐる ノーマルコースを行く ボビーヌ小屋で国際交流 トゥリアンの村 9日目(7月25日)トゥリアン→シャモニー トゥリアン(8:05)→バルムのコル(11:30〜11:55)→途中駅(12:30〜14:10)テレキャビンル・トゥール 樹林帯のジグザグを登り、視界が開けると、はるか向こうに目指すバルムの峠が見えてきた。 小屋が見えてもなかなか近くにならず、亜津美さんが「見えていても遠いのよ」と言われ、はやる気持ち を押さえながら、また私達は唄い出した。 「365歩のマーチ」は気合も入り、リズミカルに歩ける歌だ。 石作りに赤い窓のバルム小屋が目の前になり、モンブランが目に飛び込んで気た。 私の念願だったツール・ド・モンブランが達成された幸せな嬉しいこの感動と、フィナーレを飾る素晴ら しい光景を、一生忘れないだろうと思った。 皆で「バンザーイ」をして握手して抱き合って喜びを分かち合った。 峠で記念写真をいっぱい撮って、リフト駅を通り中間駅まで歩いた。 そこで美味しい昼食をとりながら、長かったハイキングを思い出し、楽しく談笑した。 テレキャビンでル・トゥールまで下り、路線バスでシャモニーに戻った。 トゥリアンの教会 小屋が見えてもなかなか近くならない バルム小屋とモンブラン 最後も美しい姿を見せたモンブラン バルムのコルより中央白い山がモンブラン ばんざ〜い! やったね! スイス、フランスの国境 この日の夜は神田さんも亜津美さんも入っていいただき、高級レストラン?で盛大な打ち上げパーティを しました。 次の日は神田さんのお宅にご招待をしていただき、ドリュウもモンブランも素晴らしい眺めのお庭で、美味 しいお料理でディナーパーティーをしていただき、私共は感激を致しました。 このようにして、モンブラン山郡を一周し、3カ国を巡るハイキングは、名峰や氷河を眺め、沢山の 高山植物や動物をめで、山小屋ではいろいろな国の人と交わり、素晴らしい感動の8日間でした。 このホームページ作成には、仲間の皆様の記録、写真を使わせていただきました |