新モンテローザ・ヒュッテを訪ねて
数年前に新装なった新モンテローザ・ヒュッテは「最新鋭の山小屋」また外観から「岩山の
クリスタル」と言われているそうです。前に行った旧モンテローザ・ヒュッテより、約100m標高
が高くなり、コースも氷河の後退により難しくなっているので心配もありましたが、素晴らしい
お天気に恵まれたので、主人に導いてもらいながら行く事にしました
1日目 電車でローデンボーデンまで行き、駅前から素晴らしい展望を眺めました![]() 写真左からピークを順にマッターホルン、ダンブランシュ、オーバーガーベルホルン、チナールロートホルン ヴァイスホルン、4000m峰の壮観な眺めを楽しんでから出発です ![]() ローデンボーデン駅の標識にはモンテローザ・ヒュッテまで3時間20分とありますが スイス政府観光局のホームページには4時間30分になっています。我が家はもっと掛かります ![]() ローデンボーデンから下り気味に氷河取付点のカドメンに向かって歩き始めました。 山は左からリスカム、カストール、ポリュックス、ブライトホルンです ![]() ゴルナグラートの山腹をたどる道を、ゴルナー氷河を下に見ながら歩きます ゴルナー氷河を隔てて南には4000m峰が並び、グレンツ氷河が豪快に下っています ![]() 振り返るとマッターホルンと黒い鋭鋒リッフェルホルンが前後で並んで見えます ![]() ![]() 女性的な山容のモンテ・ローザ(山群)の岩積帯に、鮮明にモンテローザ 「岩山のクリスタル」 ヒュッテが見えました〇印 ここからズームで写すと→ その通りですね ![]() ゴルナー氷河は、モンテローザとリスカムの間から流れているグレンツ氷河と合流し、更にツヴィリングス 氷河、ブライトホルン氷河と合流しモンテローザからブライトホルンまでを包むような壮大さに圧倒されます ![]() この標識を過ぎると青コースとなります 2010年に来た時はゴルナー氷河に降りる所が大きな隙間(溝)になっていた(取付点が移動しているよう) ![]() さあ、いよいよハシゴの下りです。下り始めが一番怖いです ![]() ![]() 手を上げる余裕などありません。 上手な人が降りているところです ワイヤーをしっかり握っているところです ![]() ハシゴを無事に降り、ホッとして一番目の橋を渡ります ![]() ホッとしたのもつかの間、ロープがでてきました。 対岸の氷河の上に階段状に切ってあるステップが急で心配になります ![]() ![]() 急峻なへつりを太いロープに掴まって歩きます 橋を渡るとオガクズの山があります ここで皆んなアイゼンを付けます ![]() ![]() アイゼンを効かせて氷河を下る ブライトホルンが氷河の海に浮かんでいるようです ![]() アイゼンの取り外しが面倒なので歩き辛いが、氷河の中の岩稜帯も着けたままで歩いた ![]() ルート上には青いポールが立っているので、忠実に追って行けば安心です ![]() ルートはリスカムに向かってゴルナー氷河を横断するようについています ![]() 写真中央の黒い岩山の上に目指すモンテローザ・ヒュッテが見えます。 モンテローザ山群の最高峰デュフールシュピッツェ(4634m)は、写真左上の二つある ピークの右です。(アルプス山脈で2番目に高い山、スイスでは最高峰です) ![]() お天気が良いので大勢人が氷河歩きを楽しんでいます ![]() ![]() ガイドさんと一緒の人です この周辺の雪はふわっと厚く真っ白で綺麗です ![]() 「氷河に浮かぶマッターホルン」はここからしか眺められない景色でしょうね。 私が是非とも見たかった景色です。 ![]() この辺りはクレヴァスがあるので注意が必要です 昨日モンテローザ・ヒュッテに泊まったと言う日本のご夫婦と情報交換しました ![]() 広いゴルナー氷河の中を歩く幸せと感動を噛み締めて歩いています 氷河歩きが終わりアイゼンを外して寛ぎました ![]() ![]() 男性3人組がシャッターを押して下さいと言うので、私達も写していただきました ![]() これからヒュッテまで岩稜帯の登りになります。 岩に打ち込まれたタラップ式の階段は、写真では角度が緩やかに見えますが・・・ ![]() 手強い登りですが、それ以上に明日の下りに不安がよぎりました ![]() 次々とロープの連続で気が抜けません ![]() 大きなスラブ岩に長いロープ、私は思い切りロープに頼って登りました ![]() 突然ニコちゃんマーク?「もうこれから楽勝って事かしらね」 ![]() 白衣を纏ったリスカム(4527m)とカストール(4228m)の美しい景色に見とれて、主人が突然 「ずるっ」と転倒、冷や汗をかきました ![]() ずっと頭上にヒュッテが見えているのに、モレーンの道は大きくヒュッテを右に回り込むよ うに付いていて、なかなか着かないのです。正面のリスカムが至近距離で大きいです ![]() 約90%の電力を太陽光発電でまかなう最新鋭の山小屋だそうです ![]() とうとう念願の夢の新モンテローザ・ヒュッテ(2883m)に着きました ![]() ヒュッテから見る、湾曲を描くゴルナー氷河とマッターホルン方面の眺めです 私達が歩いて来たモレーンの道を歩いている人も見えます ![]() まずビールで乾杯です。天候に感謝、体調に感謝「良かったね」私は「ありがとう」 ヒュッテの予約をしていなかったので心配でしたが予約が取れました ![]() ![]() 木の香も新しいヒュッテの食堂です。窓は円を描くように設計されています。 ヒュッテのプレート ![]() ![]() 私達に与えられたベットは眺め、広さ、場所と最高の条件の所でした(早く着いたからかな?) ![]() ベットの窓からゴルナー氷河、マッターホルン、ダンブランシュ、オーバーガーベルホルン 寝ながらにしてこの眺めは本当に勿体ないと思いました。 ![]() 夕食までの長い時間をヒュッテの周りで過ごしました ここまで来れたことが、夢のような嬉しさでいっぱいになりました 後ろの山は双子の山カストール(4228m)、ポリュックス(4092m)です ![]() リスカムは「銀の鞍」と言われているそうです。白銀に輝いてその名の通りです ![]() ヒュッテのテラスからはモンテローザ(4634m)が低くて見えて格好が良くないですね。 簡単に登れそうに見えますがガイド登山で登り6時間だそうです。 食堂で明日ガイドレスで登ると言う神戸の男性二人組と会いお話をしました ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() お食事はどれも美味しく、お代わりも自由でした 2日目 モンテローザなど高山に登るクライマーの朝食は2時30分、私達のようにヒュッテに泊まりに来ただけの人 や昨日登られて今日帰る人は7時からになっています。7時からの人は少人数でした。 ![]() 6時過ぎからマッターホルンの朝焼けを期待してヒュッテの外で待っていました 真っ赤に染まる朝焼けは見れませんでしたが、雲海の上に幻想的な光景でした 写真右に頭だけ出しているのはダン・ブランシュです ![]() ここから見ると大小のマッターホルンが並んでいるように見えますが、大きい方が マッターホルン(4478m)小さい方がダン・デレン(4171m)です。形が良く似ています。 名残は尽きないモンテローザ・ヒュッテに別れを告げて下山にかかりました ![]() ![]() ヒュッテのベランダで最後の記念撮影 ヒュッテがだんだん遠ざかると寂しくて胸にジン とくるものがありました(また来たいなあ〜) ![]() モレーンの道をマッターホルンを見ながら下ります(写真は振り返っています) 登る時心配したスラブ岩の下り、タラップ式の階段など慎重に歩き氷河に降りました。 氷河はアイゼンを付けて歩きます ![]() 今日もこんなに良いお天気に恵まれて幸運でした ![]() 青いポールがしっかり固定できるように網の中に石が入れてありました ![]() 荒々しい氷河、クレヴァスが沢山あります ![]() 氷河を歩きながらモンテローザ山群と泊まったヒュッテ(写真右上)が見えます モンテローザを仰ぎ見ながら、神戸の二人組が「どうぞ無事登頂出来ますように」と お祈りしました。(後にツェルマットからフィスプに向かう電車の中でバッタリお会いして 無事登頂された時のお話を聞く事が出来、心から祝福を致しました) ![]() ![]() アイゼンを脱ぐ所への最後の登りがきつかった ハシゴの登りは下りより気が楽です 青コースが終わった所で景色を見ながらゆっくりと休憩しました ![]() ![]() 斜面にお花が一杯咲く道をローデンボーデン駅に向かって エーデルワイスも沢山咲いていました 私の実力からして新モンテローザ・ヒュッテは夢に終わっても仕方がないと思っていたが、主人のリードと、何よりもお天気が見方をしてくれたお陰で行って来ることができました。 もうこれだけで今年のスイス旅行が終わっても、私の心は満たされると思える至福のハイキングでした。 |